日本人は靴のまま家には上がらない。
必ず靴、サンダルなどを脱いでから家の中にあがる。
靴のまま家の中にあがったら土足であがるなとどやしつけられる。
しかし、欧米人は家の中に入るときも靴のままである。
それは何故か、う~ん きちんと答えられない。
あなたは答えられますか?
シベリアというと日本人は相当寒いところだと想像する。
そのシベリアと同じ緯度にあるのは、スイス、オーストリア、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス(北部)、イギリス、アイルランド、ノルウエー、スウエーデン、デンマーク。
これらの地方は太陽の光線が弱い。
地面も空気も一向に温まらない。
ヨーロッパにも四季はあるが、例えば、秋風といえば日本では涼風、秋空といえば澄み切った青い空を連想するが、ヨーロッパでは秋風といえば、冷風、秋空といえば深い霧に包まれた灰色の空ということになる。
ヨーロッパの多くの国では、春になっても地面は温まらない。
日本のように地べたに座って花見などということはできない。
夏は過ごしやすい程度の涼風で、「暑中見舞い」だとか「残暑厳しき折」などという挨拶はなんのことだか通じない。
ヨーロッパの家はコンクリートの床に絨毯を敷き詰めた家である。
いくら絨毯が敷いてあっても素足では冷たい。
絨毯に座っていると風邪を引く。
だから椅子、ソファ、ベッドは欠かせない。
家でくつろいでいるときはもっと簡易な靴を履いているけど、お客がくればきちんとした靴に履き替える。
来客者にスリッパに履き替えるように進めるのは、裸になってパジャマに着替えてくれと頼むのと同じで、このうえなく失礼になる。
暖房は全室暖めるので、冬でも半そでを着る場合もある。
家の地下室に7千リットルも入る暖房設備が完備されていたりする。
ヨーロッパでは靴を見ればその人の経済力がわかるとさえ言われる。
<言挙げよ日本 / 松原久子 より引用>
ヨーロッパの人が靴を履く理由がわかってもらえただろうか。
アメリカ人も同じだというのは元はヨーロッパからの移民ということ。
ここからはお勉強。
ヨーロッパ各国の教科書には今でも次のような説明がされている。
「日本人はわれわれから、ちゃんとした靴の製法を学ぶようになるまで、わら製か木製のサンダルしか持たず、(わらじや下駄のこと)家の中では裸足で我慢してきた」
ヨーロッパでは裸足で我慢していたのは浮浪者や農奴、貧乏人の子供たちであったから、ちゃんとした靴の製法さえ知らなかった日本人についてのこの記述は、日本文化の劣等性を物語るためによく使われる。
<引用 同上.
なるほど知らないということはこういうことなんだと思う。
ヨーロッパの人々のほとんどは日本に旅行することなく人生を過ごすというから無理もない。
われわれ日本人だってヨーロッパに行く機会はそんなにないから同じだ。
ヨーロッパの気候かれみれば日本人は家の中で素足でいるのは我慢していたんだと思うわけだ。
作者の言いたいのは、日本人に対する欧米の間違った知識を解消する努力を、日本人はあまりにもやらなさ過ぎるということにある。
それをしなければいつまでたっても東洋の不思議な国と思われて気にもされない、という大いなる損失を招く、と嘆いている。
まったくそのとおりで、そのへんが日本人なんだと思う。
しかしそれではもう国際社会が許さない段階に突入していることも確かだ。
欧米追従の日本人では情けない。
あまりに情けないし惨めでさえあると思う。
あなたはどう思いますか?
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