アメリカによる世界監視

エドワード・スノーデン

1986年 31歳

ちょうど一年前、世界を揺るがしたアメリカの暗部を暴露した人物。
アメリカ国家安全保障局(NSA)の諜報活動の実態を明らかにした。
その内容を受けて執筆したのがグレン・グリーンウオルド。

その内容を受けて執筆したのがグレン・グリーンウオルド


この本でわかったことは、
アメリカの大手メデイアはまったくあてにならないということ。

こういう場合の国家の対応は常套手段があり、それは、告発した内容ではなく、告発者へのいわれなき誹謗中傷を行うことによって国民の目をあざむこうとするということ。

その片棒をかつぐのは大手メデイアという寸法になっている。

アメリカは諜報活動を全世界で行っており、(有名なのはドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していた)通話記録、メールのやりとりなどは毎日監視されている。

このアメリカ政府の要望に協力したのは
Microsoft、Yahoo!、Google、Facebook、PalTalk、YouTube、Skype、AOL、Appleなど。
つまりほとんどのIT企業。唯一協力しなかったのはtwitter。
特に、Microsoftはアメリカ政府に積極的に協力した。
手法は、各社のサーバー情報をアメリカ政府がダイレクトに取れるように提供して監視。
プライバシー保護の宣言がWEBサイトに掲載されているが、これは全くあてにならないということ。

携帯電話の普及は逆にこういう監視システムには絶好のツールになっているということ。
個人が毎日持ち歩いてくれるおかげで、通話記録はもちろん、その動向、行動範囲までつかまえることができるからだ。

盗聴を防止するには、携帯電話のバッテリーを抜くだけではだめで、本体を冷凍庫に入れるのがいいが、それでも完全ではないそうだ。


オバマ大統領は、これまでの全政権の累計数より多くの内部告発者を逮捕している。

この監視システムには同盟国が存在する。
それはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド。
ファイブ・アイと呼ばれる、これらの国は当然、情報を共有している。

オバマ政権は「アメリカ国籍をもつものは監視していない」と抗弁したが、誰が信用するだろうか。

アメリカの威信とか、自由の国とかもうちゃんちゃらおかしい。
アメリカの指導力とは人を監視し、弱みを見つけ、脅し、屈服させるものだということ。

スノーデンはまだロシアにいるかどうかもわからない。(一部の協力者をのぞいて)
オバマ政権は逮捕状を出しているが、犯罪人引渡し条約を結んでいないから、ロシアにそれを拒まれている。


この本を読んでいると、日本の安部政権が「秘密保護法案」を昨年12月に可決させたことを思い起こす。

読んだ本

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
天国までの百マイル (朝日文庫)
暴露:スノーデンが私に託したファイル
永遠の旅行者(下)
驕れる白人と闘うための日本近代史
震える牛 (小学館文庫)
リヴィエラを撃て〈上〉 (新潮文庫)
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